get itの例
まずは再生ボタンで音声を聞いてみてください。コスメのレビュー動画で、話し手が「7月11日まで14ドルで手に入る」と話す場面です。文の中ほどの get it の2語が、どう聞こえるかに注意して再生してみてください。
綴りの上では、「ゲット・イット」と言っています。
しかし実際に鳴っている音は、こうです。
get it =ゲリッ
ここで起きていることは、とても単純です。
- get の語尾の /t/ が母音に挟まれる — get の /t/ は、前が e の母音、後ろが it の頭の母音。単語をまたいで、母音に挟まれた形になります。
- 挟まれた /t/ が「ラ行」に化ける(同化) — アメリカ英語では、母音に挟まれた /t/ は日本語のラ行に近い音に変わります。「ゲット」ではなく「ゲリ」。
「t」の文字は綴りにあるのに、「ト」の音はどこにもない——他の変化が混ざらない、「化ける」だけが起きた最小の形です。この変化はとりわけ頻度が高く、water が「ワラ」、better が「ベラ」に聞こえるのも同じ仕組みです。
「ゲリッ」という音の形を知ったうえで、もう一度カードを再生してみてください。カード内の get it をタップすると、その単語の位置から再生されます。
put it onの例
化けるをもう1つ。今度は同じ変化が2か所で起きる例です。テレビのレビュー動画で、話し手が「中央マウントなら、小さめのテレビ台にも置ける」と話す場面です。put it on の3語が、どう聞こえるかに注意して再生してみてください。
綴りの上では、「プット・イット・オン」と言っています。
しかし実際に鳴っている音は、こうです。
put it on =プリロン
ここで起きていることを、順番に分解します。
- put の /t/ が母音に挟まれて「ラ行」に化ける(同化) — put の /t/ は、前が u の母音、後ろが it の頭の母音。「プット」ではなく「プリ」になります。
- it の /t/ も母音に挟まれて化ける(同化) — 同じことがもう1回。it の /t/ が直後の on の母音に挟まれて、「ロ」を作ります。
- 単語の境界が消える — その結果、3語の区切りは音の上に存在しなくなり、「プリロン」がひとかたまりで通り過ぎます。
get it と同じ「母音に挟まれた /t/ がラ行に化ける」変化が、1つのフレーズの中で2回起きています。put it on(〜の上に置く)は日常会話の頻出表現なので、この音の形ごと知っておく価値があります。
「プリロン」という音の形を知ったうえで、もう一度カードを再生してみてください。カード内の put it をタップすると、その単語の位置から再生されます。
カードの音声・静止画は、クリエイティブ・コモンズ(CC BY)ライセンスで公開されている動画からの引用です。各カードにチャンネル名を明記し、元動画の該当場面へリンクしています。